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あとがき
中川 秀己
pp.282
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205347
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この3月一杯で大学を退任することになりますので,『臨床皮膚科』の編集委員も退任いたします.読者の先生方,編集室,編集委員の皆様,今まで本当にありがとうございました.
私は大学を卒業する1977年3月の時点で,どの科に入ろうか決めていませんでした.当時は研修制度がなかったため,直接希望の科に入ることになっており,実際に仕事を開始するのが5月連休明けだったこともありますが,学生時代はクラブ活動,遊び,人生勉強などで医学の勉強はほとんどしていなかったため,興味がある科がわからなかったのです.ただ,研究が主体の科は避けようと思っていたので,目で見ることで判断が付く科がいいなと漠然と考え,臨床なら皮膚科か整形外科,基礎なら病理を考えていました.皮膚科を選んだきっかけは,自分の目で診て診断ができることに興味があったからですが,当時の指導医の先生方の眼光は鋭く,次々と正確な診断が付けられることに驚きましたが,まさにこれが皮膚科臨床の醍醐味でした.その後,ハーバード大学のマサチューセッツ総合病院に留学し,故Fitzpatrick教授から,臨床・研究のマインドの勉強をさせていただいたのが教室員の指導に大いに役立ったと思います.皮膚科一筋で41年(東大20年,自治医大7年,慈恵医大14年)なんとか無事に勤めることができました.今までの皮膚科の道程を振り返ってみると,いろいろなキャラクターを持った先輩,同輩,後輩の先生方が親身になって応援してくれたのが,ここまで皮膚科一筋で続けられた一番の要因であると考えます.感謝いたしております.
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