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ようやく大学入試が終了した.今年は各大学医学部ともに定員を増やしたが,東京慈恵会医科大学は5名の増加で,将来的には地域枠として活用するとのことである.2月15~17日の3日間にわたり,1次合格者75名の個人面接を担当したが,小児科,産婦人科を希望する学生が増えたのは喜ぶべきことであろう(ただし,卒業時は進路が変わっているかもしれないが.皮膚科は1名のみでした).面接は将来,医師としての十分な資質を持っているか,性格に問題がないかを判定し,問題のある学生を除くためにあるが,実際に入学してから特に精神面での問題から進級が困難になる学生を短時間に見抜くことは困難である.学生は緊張しているので,くだらない冗談からリラックスさせて面接するようにしているが,自分としては正直さや機転などの要素をどうしても重要視してしまう.受験時の気持ちを素早く短歌にしたためた学生,入学後にやってみたいことを聞いた時「アルバイト,特に接客業」と答えた際に「キャバクラなんかどう?」と聞くと「ええ,ぜひやってみたい」と答えた女子学生,男子校を卒業し2浪受験生は同様の質問に「ボランティア活動」と答えたが「正直にデートと言いなさい」と聞くと「東京は美人が多いのでぜひ慈恵に入りたいです」と答えた学生などには高い評価を与えてしまった.ともかく,慈恵に入学してくる学生は私が前にいた国立校と比べると明らかに素直である.素晴らしい医師になるようじっくりと教育していきたいといつも考えているが,教育の場がいつも飲み会になってしまうのは私の性格上仕方ないところであり,一切反省するつもりはない.3月は卒業式,謝恩会と続き,この号が出る頃には医師国家試験の結果もわかっているであろう.また,3月には日本皮膚科学会を率いてこられた教授連が退官される.寂しくなるが仕方のないことである.退官される教授の先生方の第二の人生を祝して,このあとがきを締めたい.
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