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昨年12月にバンコクで開催された乾癬教育プログラムに関するアジア太平洋立ち挙げ会議に出席したときのことを書かせていただきます.1泊3日(2日は飛行機泊)の日程での強硬出席でしたが,バンコクは乾期で天候には恵まれました.1日半の会議でアジア各国,オーストラリア,ドイツから皮膚科の先生方が参加し,英語での活発な討議が行われました.さすがの私も疲れてしまい,休憩時間には元気づけに持参した御酒をこっそりと飲み,気を大きくして対応しました.1日目の会議終了後,参加者全員で64階のオープンレストランに行きましたが,そこからの眺めは東京を凌駕するもので河川の氾濫の傷跡は全く見られませんでした.河川の氾濫は政治的な葛藤からダムの開閉に関しての問題が起こり,バンコクではあくまでも人的被害という認識でした.日本で流している河川の氾濫の影響はバンコク周辺で地元の方に聞くと日本の報道があまりに偏ったものであり,あきれかえっているとのことでした.幹線道路は常に車で溢れているので電車を使いましたが午後6時になると国歌が流れ,駅のすべての人が立ち止まり国王に対して礼を捧げているのには感心した次第です.米国基準の病院認定をアジアで初めて取得したバムルンラード・インターナショナル病院を見学しましたが,豪華なホテル並みの外観で院内の待合室も各科ごとホテルのロビー並みの豪華さでした.日本語通訳は6名在住,そのほかアラブ語,中国語,韓国語などすべての言語に対応できるスタッフを揃えており,900名以上の医師が世界154か国から年間100万人以上の患者の診療にあたっているとのことです.4時間ほどの視察でしたが,これでは日本経済は負けてしまうのも無理はないと感じました.
ちなみにバンコクには1,500万の住民がおり,失業率0%とのことです.関税が撤廃されているため経済繁栄は著しいようですが,一方,貧富の差の拡大,地場産業の衰退,政治面での葛藤などさまざまな問題を生み出しているようです.
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