Japanese
English
症例報告
深在性エリテマトーデスの1例
A case of lupus erythematosus profundus
福田 浩孝
1
,
簗場 広一
1
,
中川 秀己
1
Hirotaka FUKUTA
1
,
Koichi YANABA
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
深在性エリテマトーデス
,
陥凹
,
ステロイド内服
,
ステロイド局注
Keyword:
深在性エリテマトーデス
,
陥凹
,
ステロイド内服
,
ステロイド局注
pp.493-496
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204810
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要約 31歳,女性.初診の1年半前より右頰部に硬結を伴うやや境界不明瞭な紅色局面が出現した.デキサメタゾンプロピオン酸エステル外用にて治療されていたが改善せず,当科を受診した.抗核抗体,各種自己抗体を含め異常所見を認めなかった.病理組織学的には,表皮の液状変性,真皮のムチン沈着,真皮中層から脂肪織に異型性のないリンパ球主体の炎症細胞浸潤,変性した脂肪組織を認めた.ループスバンドテストはIgM陽性であり,深在性エリテマトーデスと診断した.プレドニゾロン内服15mg/日より開始するとともに,トリアムシノロンアセトニド局注1mgを計2回施行したところ,4週間後に硬結,紅斑は改善傾向を認めた.その後,プレドニゾロンを漸減し,陥凹は残したものの紅色局面は消退したため,6か月で内服を中止した.ステロイド局注は皮膚萎縮のリスクを伴うが,内服との併用により,皮疹改善までの期間短縮に寄与する可能性が高いと考えた.
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