Japanese
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症例報告
円板状エリテマトーデスから進展したと考えられた深在性エリテマトーデスの1例
A case of lupus erythematosus profundus possibly developed from discoid lupus erythematosus
村山 梓
1
,
石氏 陽三
1
,
簗場 広一
1
,
中川 秀己
1
Azusa MURAYAMA
1
,
Yozo ISHIUJI
1
,
Koichi YANABA
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
深在性エリテマトーデス
,
円板状エリテマトーデス
,
進展
,
ステロイド内服
Keyword:
深在性エリテマトーデス
,
円板状エリテマトーデス
,
進展
,
ステロイド内服
pp.215-220
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205333
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要約 37歳,女性.約9年前の妊娠後期より左腰部に表面光沢を伴う紅色局面が出現し,約7年前に当科を受診した.病理組織像で,表皮の液状変性,真皮のムチン沈着,真皮の血管および付属器周囲に巣状の密なリンパ球浸潤を認め,円板状エリテマトーデス(discoid lupus erythematosus:DLE)と診断した.ステロイド軟膏外用にて一時軽快したが,約3か月前より同部位に皮下硬結が出現した.病理組織像で,以前のDLEの変化に加え,真皮から皮下脂肪織にかけてびまん性に,結節状の密な炎症細胞浸潤を認め,lobular panniculitis,石灰化を認めた.深在性エリテマトーデス(lupus erythematosus profundus:LEP)と診断し,プレドニゾロン20mg/日の内服を開始した.3週間後に皮下硬結は改善を認めたため,プレドニゾロンを漸減し,6か月で内服を中止した.その後は再燃を認めていない.DLEにおいて,強く炎症細胞浸潤を呈す場合には,LEPに進展する可能性があると考えた.
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