Japanese
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症例報告
下腿に限局した塩酸ミノサイクリンによる色素沈着型薬疹
Minocycline induced lower leg pigmentation
林 政雄
1
,
清水 教子
1
,
三澤 恵
1
,
牧野 輝彦
1
,
清水 忠道
1
Masao HAYASHI
1
,
Kyoko SHIMIZU
1
,
Megumi MIZAWA
1
,
Teruhiko MAKINO
1
,
Tadamichi SHIMIZU
1
1富山大学大学院医学薬学研究部皮膚科
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences, University of Toyama, Toyama, Japan
キーワード:
塩酸ミノサイクリン
,
下腿色素沈着
Keyword:
塩酸ミノサイクリン
,
下腿色素沈着
pp.387-390
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204784
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要約 47歳,男性.27歳時から潰瘍性大腸炎,32歳時から多発筋炎のためプレドニゾロン9mg/日内服しており,いずれもコントロール良好であった.4か月前から両下腿前面に色素沈着が出現し,徐々に拡大してきたため受診した.初診時,両下腿に自覚症状のない不整形で一部網状の青灰色斑を認めた.病理組織学的に真皮から脂肪織の主に血管と付属器周囲に褐色の沈着物を認め,その多くが鉄染色で陽性であった.血液検査では血清鉄,トランスフェリン飽和率,血清フェリチンの上昇はみられなかった.また,輸血歴,鉄剤内服歴もなかった.左アキレス腱断裂の手術後の創感染に対して,皮疹出現の2か月前から塩酸ミノサイクリンを内服していた.同剤の内服中止により下腿の色素沈着は徐々に消退した.塩酸ミノサイクリンを長期使用する際には色素沈着出現に注意する必要がある.
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