Japanese
English
原著
急速進行性円形脱毛症に対する点滴静注ステロイドパルス療法が全身状態に与える影響に関する調査
Analysis of adverse events of intravenous corticosteroid pulse therapy for rapidly progressive alopecia areata
佐藤 洋平
1
,
大山 学
1
Yohei SATO
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin university School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
円形脱毛症
,
点滴静注ステロイドパルス療法
,
有害事象
,
全身症状
,
血液検査
Keyword:
円形脱毛症
,
点滴静注ステロイドパルス療法
,
有害事象
,
全身症状
,
血液検査
pp.1036-1040
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205263
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要約 成人の急速進行性円形脱毛症(rapidly progressive alopecia areata:RP-AA)には点滴静注ステロイドパルス療法(パルス療法)が有効とされ,本邦の多くの施設で実施されている.日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインの推奨ステロイド投与量が一般的なパルス療法の半量であるためか同療法が全身状態に与える影響は注目されていない.そこでわれわれの施設でパルス療法を施行した広汎型RP-AA 35例の治療中,治療後の全身症状,臨床検査データの変化を詳細に調査した.有害事象としての不眠,頭痛は投与初日〜2日目,筋緊張・筋痛は投与3日目以降に生じる傾向があった.多くが基準範囲内での変化ではあるが単球数(%),血清Ca値,血清IgG値が投与前と比較し投与4日目に有意に低下した.血清IgG値の低下が実施数か月後まで持続した例もみられた.パルス療法は予想以上に患者の全身状態に影響し,長期的に影響を残す可能性が示唆された.
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