Japanese
English
症例報告
ダーモスコピー所見では診断困難であった円形脱毛症の1例
A challenging case of alopecia areata with unusual dermoscopic findings
福島 彩乃
1
,
渡辺 絵美子
1
,
石田 雅美
2
,
大山 学
1
Ayano FUKUSHIMA
1
,
Emiko WATANABE
1
,
Masami ISHIDA
2
,
Manabu OHYAMA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2医療法人社団澄心会皮膚科中山医院
1Department of Dermatology, Keio University, School of medicine, Tokyo, Japan
2Nakayama Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
円形脱毛症
,
ダーモスコピー
,
瘢痕性脱毛症
,
病理組織
,
毛孔
Keyword:
円形脱毛症
,
ダーモスコピー
,
瘢痕性脱毛症
,
病理組織
,
毛孔
pp.520-524
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104050
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要約 46歳,女性.半年前から頭頂部に脱毛斑が出現した.円形脱毛症の診断で塩化カルプロニウム,ステロイド剤を外用したが脱毛斑は拡大し,当科を紹介受診した.初診時,頭頂部に25×30mmの浮腫状で発赤を伴う脱毛斑を認めた.ダーモスコピー上,毛孔は確認できず毛包ムチン沈着症や瘢痕性脱毛症などを考えた.脱毛斑中央部の水平断病理組織標本では総毛包数の減少はなく,毛球部周囲の炎症性細胞浸潤,休止期毛の増加と毛包のミニチュア化を認めた.また,縦断標本で表皮の海綿状変化と真皮浅層の炎症性細胞浸潤をみたことから,慢性期の円形脱毛症に外用剤などの外的刺激で皮膚炎を生じ,表皮の浮腫性変化や鱗屑のため毛孔の観察が困難であったと考えた.ステロイド局所注射で加療し良好な再発毛を得た.脱毛症の鑑別にはダーモスコピーが有用とされるが,診断が困難な場合は病理組織学的評価が重要である.
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