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増刊号特集 最近のトピックス2023 Clinical Dermatology 2023
4.皮膚疾患治療のポイント
重症円形脱毛症のバリシチニブによる治療
Oral baricitinib for severe alopecia areata
大山 学
1
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
円形脱毛症
,
治療
,
ヤヌスキナーゼ阻害薬
,
JAK阻害薬
,
適用条件
,
安全性
Keyword:
円形脱毛症
,
治療
,
ヤヌスキナーゼ阻害薬
,
JAK阻害薬
,
適用条件
,
安全性
pp.92-95
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206969
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summary
これまで,円形脱毛症には良質のエビデンスに裏付けられた治療法がなく,特に,症状が固定した重症例では治療に難渋することが多かった.しかし,本症の慢性期の病態形成にサイトカインループが寄与していることが明らかとなり,その下流のシグナル経路であるJAK-STATの阻害が治療に結びつく可能性が示唆された.それを受けJAK1/JAK2を阻害するバリシチニブの重症円形脱毛症に対する有効性を検証する国際共同治験が実施され,有益性が証明されたことから2022年6月についに本邦でも適用追加が承認された.エビデンスレベルの高い治療ではあるが,通常の皮膚疾患に対する内服療法の方法論がそのまま通用しない面がある.円形脱毛症の治療の目標は個々の症例で異なり,臨床試験で得られた有効性・安全性が実臨床で再現されるか否かについても今後のデータの蓄積・解析が必要である.今後,長期的な治療の方法論の確立が必要となろう.
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