Japanese
English
症例報告
広汎性円形脱毛症とアトピー性皮膚炎を背景に生じた前額部紅色局面の1例
A case of erythematous plaque of forehead associated with widespread alopecia areata and atopic dermatitis
宮川 秀美
1
,
佐藤 洋平
1
,
下山田 博明
2
,
柴原 純二
2
,
大山 学
1
Hidemi MIYAGAWA
1
,
Yohei SATO
1
,
Hiroaki SHIMOYAMADA
2
,
Junji SHIBAHARA
2
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部病理学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
2Department of Pathology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
顔面肉芽腫
,
好酸球性血管リンパ球増殖症
,
円形脱毛症
,
アトピー性皮膚炎
Keyword:
顔面肉芽腫
,
好酸球性血管リンパ球増殖症
,
円形脱毛症
,
アトピー性皮膚炎
pp.43-47
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206248
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要約 50歳,女性.既往にアトピー性皮膚炎あり.43歳時に円形の脱毛斑と前額部の皮疹を自覚した.その後,両者ともに拡大した.脱毛は進行しほぼ全頭性脱毛となったため当科を紹介受診した.初診時,前頭部のみ毛髪あり.前額部,両側側頭部に紅色結節が多発し,前頭部では融合し局面を形成していた.前額部の紅色局面の病理組織像では真皮に分葉状に増生する小血管と,主として血管周囲に密な炎症細胞浸潤を認め,主体はリンパ球だが好酸球も混在していた.臨床像からは偽リンパ腫などが疑われたが,病理組織所見と併せ陳旧化した顔面肉芽腫である可能性が高いと考えた.ステロイド局注にて,前額の腫瘤は著明に平坦化し,脱毛症状も特に加療せずに改善した.自験例では脱毛に対するウィッグの装着やアトピー性皮膚に起因する掻破による外的刺激により発症し比較的長期間放置されたことで特異な臨床像を呈した可能性を考えた.
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