--------------------
あとがき
中川 秀己
pp.1024
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205259
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
円滑な人間関係を構築するためには良好な質の高いコミュニケーションが大切なのは言うまでもありません.職場(特に患者さんの診察),家庭,学会などその他の社会で相手の気持ちを聞かず(忖度せず)に自分だけの要求を貫いてしまった,理不尽な相手の要求を断れなかった,お互いに遠慮し過ぎて時間のかかった割には得るものがきわめて少なかったなど不完全燃焼感を覚えることはほぼ毎日と言っていいほどあるのではないでしょうか.
診療の場(特に初診)においては自己主張の強い患者さん,依存性の強い神経質な患者さん,何件も病院を回って医師に不信感を抱いている患者さん,モンスターキャラで手に負えなくなったためか紹介状を持って押し付けられてきた患者さんなどに加えて,患者さんの家族もいるため,どうコミュニケーションを取っていくかがいつも悩みの種となります.兎に角よく話を聞いてから丁寧な言葉でお話しするしかありませんが,「診察を受けて幸せだった」と感じてもらいたいという奉仕の精神でボランティア活動していると思えば何とかこなせるものです.もちろん,言葉だけの聴覚情報だけでなく,紙媒体を用いてわかりやすく視覚で説明したり,表情を変えたり,ジェスチャーを交えるとこちらの伝えたいことがより正確になります.このようにして初診でコミュニケーションがうまくいくと治療効果も上がるし,その後の再診時間の短縮が可能となってきます.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.