特集 水疱症アップデート
ジアフェニルスルホンで軽快した線状IgA 水疱症の1例
大矢 和正
1
,
田口 詩路麻
1
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター茨城県厚生連総合病院水戸協同病院,皮膚科(主任:田口詩路麻部長)
キーワード:
自己免疫性水疱症
,
線状IgA水疱症
,
ジアフェニルスルホン
Keyword:
自己免疫性水疱症
,
線状IgA水疱症
,
ジアフェニルスルホン
pp.1686-1689
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000237
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30歳,女性。3週間前から腹部に紅色の皮疹が出現し徐々に拡大した。頭部,顔面,体幹・四肢に瘙痒を伴う紅斑がみられ,一部の紅斑の辺縁には環状の小水疱を伴っていた。病理組織学的に表皮下水疱はみられなかったが,蛍光抗体直接法で真皮と皮膚の境界部に沿ってIgAとC3の沈着がみられたため線状IgA水疱症と診断した。ステロイド外用剤とプレドニゾロン(PSL)20mgを開始し漸減したところ,紅斑や水疱が悪化した。PSL20mgとジアフェニルスルホン50 mg に変更して加療したところ,皮疹は徐々に退色し新生水疱はみられなくなった。線状IgA水疱症はまれな疾患であり,治療方針はいまだ確立されていない。今後,症例の蓄積によって,治療法や病態の解明が望まれる。
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