Japanese
English
症例報告
線状IgA水疱症の2例—ジアフェニルスルホンの投与方法についての検討
Two cases of linear IgA bullous dermatosis:Consideration of administration method of diaminodiphenyl sulfone
吉田 舞子
1
,
三苫 千景
2
,
春山 護人
3,4
,
古江 増隆
1
Maiko YOSHIDA
1
,
Chikage MITOMA
2
,
Sanehito HARUYAMA
3,4
,
Masutaka FURUE
1
1九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
2九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センター
3産業医科大学医学部皮膚科学教室
4熊谷総合病院皮膚科
1Department of Dermatology, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University, Fukuoka, Japan
2Research and Clinical Center for Yusho and Dioxin, Kyushu University Hospital, Fukuoka, Japan
3Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
4Division of Dermatology, Kumagaya General Hospital, Kumagaya, Japan
キーワード:
線状IgA水疱症
,
ジアフェニルスルホン
,
副作用
,
少量漸増投与
Keyword:
線状IgA水疱症
,
ジアフェニルスルホン
,
副作用
,
少量漸増投与
pp.43-49
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205928
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要約 症例1:82歳,女性.初診の3か月前より略全身に瘙痒を伴う紅斑,水疱が出現し,線状IgA水疱症と診断された.ステロイドとジアフェニルスルホン(DDS)25mgの内服が開始されたが,BUNの上昇がみられたためDDSを中止したところ紅斑と水疱の新生が続き当科を受診した.DDS 12.5mg/日から再開したところBUN上昇もなく皮疹も軽快した.症例2:69歳,男性.初診の4か月前より体幹に瘙痒を伴う紅斑,水疱が出現し,線状IgA/IgG水疱症と診断した.DDS 25mg/日から開始し皮疹は速やかに消退した.線状IgA水疱症の治療薬としてDDSが第1選択薬として使用されるが副作用の出現が懸念される.過去20年間に本邦で論文として報告された線状IgA水疱症43例のDDSの初期投与量について検討したところ,自験例のようにDDSを少量から漸増投与した症例の報告はなかった.用量依存性の副作用を回避するためにもDDSの少量からの漸増投与を選択肢の1つとして考慮することを提唱する.
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