Japanese
English
症例報告
播種状紅斑・丘疹を呈し自然消退傾向を示したmyeloid sarcomaの1例
A case of myeloid sarcoma manifesting generalized papulo-erythematous eruptions with a tendency of spontaneous regression
箕輪 智幸
1
,
栁澤 健二
1
,
加賀谷 真起子
1
,
髙橋 博之
1
,
後藤田 裕子
2
Tomoyuki MINOWA
1
,
Kenji YANAGISAWA
1
,
Makiko KAGAYA
1
,
Hiroyuki TAKAHASHI
1
,
Hiroko GOTODA
2
1JA北海道厚生連札幌厚生病院皮膚科
2JA北海道厚生連札幌厚生病院病理診断科
1Division of Dermatology, Sapporo Kosei General Hospital, Sapporo, Japan
2Division of Pathology, Sapporo Kosei General Hospital, Sapporo, Japan
キーワード:
myeloid sarcoma
,
腫瘤先行型
,
播種状紅斑・丘疹
,
自然消退傾向
Keyword:
myeloid sarcoma
,
腫瘤先行型
,
播種状紅斑・丘疹
,
自然消退傾向
pp.899-904
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205229
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要約 62歳,男性.初診2か月前より全身に自覚症状を欠く紅斑・丘疹が出現した.近医を受診し治療したが改善しないため当科に紹介された.初診時,顔面を除く体幹,四肢に母指頭大までの浸潤を触れる紅斑・丘疹を認めた.病理組織所見は真皮全層から皮下組織にかけて核異型を呈する芽球様単核球の密な浸潤を認め,免疫組織染色ではMPO,lysozyme,CD33,CD43,CD45,CD4が陽性,CD3,CD5,CD8,CD10,CD20,CD30,CD56,CD68(PGM-1),CD79a,CD123,CD138,Cyclin D-1,bcl-2,TdT,GranzymeB,TIA-1,EBER in situ hybridizationが陰性であったことからmyeloid sarcoma(MS)と診断した.しかし初診3週間後より全身の皮疹が消退傾向を示したため患者が通院および精査を希望せず,さらなる全身検索は施行できなかった.初診時の血液検査では末梢血を中心に異常は認められず急性骨髄性白血病の存在は疑われなかったが,今後急性骨髄性白血病を発症する可能性が高いと思われた.播種状紅斑や丘疹などの皮疹が先行するMSは稀であり,このような臨床を呈するMSの認識が必要であると思われた.
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