Japanese
English
症例
ジアフェニルスルホンが潰瘍性大腸炎にも奏効した壊疽性膿皮症の1例
Pyoderma gangrenosum associated with ulcerative colitis successfully treated with diaphenylsulfone
西村 季紘
1
,
横山 恵美
1
,
小林 圭介
1
,
須山 孝雪
1
,
片桐 一元
1
Tokihiro NISHIMURA
1
,
Megumi YOKOYAMA
1
,
Keisuke KOBAYASHI
1
,
Takayuki SUYAMA
1
,
Kazumoto KATAGIRI
1
1獨協医科大学埼玉医療センター,皮膚科(主任:片桐一元教授)
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
潰瘍性大腸炎
,
ジアフェニルスルホン
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
潰瘍性大腸炎
,
ジアフェニルスルホン
pp.1900-1903
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002955
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66歳,男性。既往に直腸癌。初診1週間前に左下腿に1cm大の紅斑が出現し徐々に拡大,排膿を伴い,虫食い様潰瘍を形成した。潰瘍部辺縁から生検し,真皮浅層から脂肪層にかけて著明な好中球浸潤を認めるも血管炎の所見はなく,壊疽性膿皮症と診断した。蜂窩織炎の合併が疑われたため,ステロイド内服を避けジアフェニルスルホン50mg/日内服とstrongestランクステロイド外用を開始したところ入院24日目で上皮化した。また,入院前から持続する肛門からの出血があり,下部消化管内視鏡で潰瘍性大腸炎と診断された。ジアフェニルスルホン投与開始後,血便も消失した。ジアフェニルスルホンは好中球の遊走・接着を阻害するほか,マクロファージからのIL-1α,IL-1β,IL-6,TNF-αの産生に抑制作用を示すため,潰瘍性大腸炎の消化管炎症も改善したと考えられた。
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