Japanese
English
症例報告
インドネシア(バリ島)から帰国後チクングニア熱を発症した1例
A case of chikungunya in travelers returning from Indonesia
岩渕 千雅子
1
,
宇山 美樹
1
,
根岸 亜津佐
1
,
川村 雄大
2
,
石河 晃
3
,
高崎 智彦
4
Chikako IWABUCHI
1
,
Miki UYAMA
1
,
Azusa NEGISHI
1
,
Yudai KAWAMURA
2
,
Akira ISHIKO
3
,
Tomohiko TAKASAKI
4
1日産厚生会玉川病院皮膚科
2日産厚生会玉川病院外科
3東邦大学医療センター大森病院皮膚科学
4国立感染症研究所ウイルス第一部
1Division of Dermatology, Nissan Tamagawa Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Surgery, Nissan Tamagawa Hospital, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology, Toho University Omori Medical Center, Tokyo, Japan
4Department of Virology 1, National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan
キーワード:
チクングニア熱
,
バリ島
,
関節痛
,
紅斑
,
チクングニアウイルス抗体価
Keyword:
チクングニア熱
,
バリ島
,
関節痛
,
紅斑
,
チクングニアウイルス抗体価
pp.454-458
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204472
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要約 50歳,男性.2014年3月に9日間滞在したバリ島から帰国後,2日目に発熱,腰背部痛,膝関節痛が,5日目に手背に紅斑が出現し,足背,手背の発赤,腫脹を伴い急速に全身に拡大した.バリ島の知人がデング熱を発症していたためデング熱を疑われ入院した.血清中のデングウイルス遺伝子検査および抗体価はともに陰性だったが,チクングニアウイルス遺伝子検査およびIgM抗体が陽性で,チクングニア熱と確定診断した.発症8日目で解熱し,皮疹は3日間でほぼ消退した.皮膚病理組織像では血管周囲性のリンパ球浸潤と表皮基底層の液状変性を認めた.近年.チクングニア熱は再興感染症として世界的な流行の拡大が危惧されている.本邦では輸入症例の報告のみではあるが.ウイルスを媒介するヒトスジシマカは日本にも生息しており,国内での流行の可能性がある.熱帯,亜熱帯地域からの帰国者において,チクングニア熱を鑑別し,迅速に診断することが重要である.
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