Japanese
English
症例報告
インド渡航歴のある在日カナダ人に発症したチクングニア熱の1例
A case of chikungunya fever:A Japan-resident Canadian case with a travel history to India
西元 順子
1
,
相澤(河野) 彩子
2
,
久保 和義
3
,
田尻 明彦
4
,
天野 正宏
1
Junko NISHIMOTO
1
,
Ayako (KOUNO)AIZAWA
2
,
Kazuyoshi KUBO
3
,
Akihiko TAJIRI
4
,
Masahiro AMANO
1
1宮崎大学医学部感覚運動医学講座皮膚科学分野
2宮崎大学医学部内科学講座免疫感染病態学分野
3社会医療法人善仁会市民の森病院リウマチ科
4たじり皮膚科医院
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Miyazaki, Miyazaki, Japan
2Department of Internal Medicine, Rheumatology, Infectious Diseases and Laboratory Medicine, University of Miyazaki, Miyazaki, Japan
3Department of Rheumatology, Shiminnomori Hospital, Miyazaki, Japan
4Tajiri Dermatology Clinic, Miyazaki, Japan
キーワード:
チクングニア熱
,
インド渡航歴
,
関節痛
,
蚊媒介性ウイルス
Keyword:
チクングニア熱
,
インド渡航歴
,
関節痛
,
蚊媒介性ウイルス
pp.159-163
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206274
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 36歳,カナダ人男性.インドに1か月間滞在し,9月下旬に現居住地である日本に帰国した.帰国する1週間前より頭痛と関節痛が出現し,その後手足の腫脹が出現した.帰国後2日目から四肢体幹に紅斑が出現し,発熱はなかったが食欲不振を認めた.チクングニア遺伝子検査は陰性であったが,IgM,IgG抗体陽性であり,チクングニア熱と診断した.発症4日目に紅斑は消退傾向となったが,関節痛は3か月ほど持続した.チクングニア熱は2007年にイタリアでインドからの渡航者がもたらしたとされるアウトブレイクの報告があり,今後日本でのアウトブレイクが生じる可能性もある.海外渡航歴のある関節痛を伴う発疹患者では同症も念頭に置くことが肝要である.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.