Japanese
English
症例報告
家族性地中海熱に合併した血管炎の1例
A case of familial Mediterranean fever with vasculitis
山本 真有子
1
,
中島 喜美子
1
,
公文 義雄
2
,
右田 清志
3
,
佐野 栄紀
1
Mayuko YAMAMOTO
1
,
Kimiko NAKAJIMA
1
,
Yoshio KUMON
2
,
Kiyoshi MIGITA
3
,
Shigetoshi SANO
1
1高知大学医学部皮膚科学講座
2高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科学
3国立病院機構長崎医療センター臨床研究センターリウマチ科
1Department of Dermatology, Kochi Medical School, Kochi University, Nankoku, Japan
2Department of Endocrinology, Metabolism and Nephrology, Kochi Medical School, Kochi University, Nankoku, Japan
3Division of Rheumatology, Clinical Research Center, NHO Nagasaki Medical Center, Nagasaki, Japan
キーワード:
家族性地中海熱
,
血管炎
,
紫斑
Keyword:
家族性地中海熱
,
血管炎
,
紫斑
pp.687-691
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205180
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要約 52歳,女性.妹に家族性地中海熱がある.小児期より繰り返す発熱発作と胸痛のエピソードがあり,成人後に関節痛を繰り返していた.MEFV遺伝子のエクソン2にp.E148Qの変異をヘテロで認め,家族性地中海熱と診断され,コルヒチン内服により関節痛や発熱発作はコントロールされていた.6年前から下腿に数日で消退する紫斑が出没するようになった.病理組織像では真皮浅層から中層の小血管のフィブリノイド変性と血管壁にリンパ球を主体とした炎症細胞浸潤を認めた.血管壁に免疫グロブリンの沈着は認めなかった.血管周囲の浸潤細胞は細胞質にIL-1βを発現していたことから,MEFV遺伝子変異により過剰に産生されたIL-1βが血管炎の発症に関与していると考えられた.
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