Japanese
English
症例報告
菊皮膚炎の1例
A case of chrysanthemum dermatitis
工藤 万里
1
,
石川 武子
1
,
多田 弥生
1
,
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
Mari KUDO
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Yayoi TADA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
問診
,
菊皮膚炎
,
貼布試験
Keyword:
問診
,
菊皮膚炎
,
貼布試験
pp.562-566
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204829
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要約 68歳,男性.20年前に葬儀屋の仕事に従事しはじめた頃から,瘙痒を伴う皮疹が上肢に出現した.10年前には顔面・後頸部に拡大,2年前から皮疹がさらに増悪してきた.他院にて,種々のステロイド外用で加療したが改善乏しく,当科を受診した.受診時,頭皮,顔面,後頸部に紅斑を認めた.手指には苔癬化を伴う紅褐色局面と軽度の角化,粟粒大の小水疱と落屑がみられた.非露出部に皮疹はなかった.前額部より生検した組織は慢性湿疹の所見であった.臨床症状と経過より,菊による接触皮膚炎を疑い,strongestクラスのステロイド外用を行い,菊との接触を避けたところ2週間後には皮疹と瘙痒は著明に改善した.さらに患者が日常接触している菊による貼布試験は陽性であった.露出部に限局する慢性難治性の湿疹病変をみた場合には接触皮膚炎を疑い,職業歴も含めて丁寧な問診を行うことが重要である.
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