特集 色素沈着を伴う皮膚病
臨床例
トシリズマブによる長期間の治療効果を観察しえた多中心性Castelman病に伴う皮膚形質細胞増多症
寒川 愛美
1
,
永井 宏
2
,
片山 義雄
3
,
錦織 千佳子
2
1国立病院機構神戸医療センター皮膚科
2神戸大学大学院医学研究科皮膚科学
3神戸大学大学院医学研究科血液内科学分野
キーワード:
多中心性キャッスルマン病
,
形質細胞増多症
,
トシリズマブ
Keyword:
多中心性キャッスルマン病
,
形質細胞増多症
,
トシリズマブ
pp.587-590
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000000107
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<症例のポイント>・ 体幹に多発する皮膚形質細胞増多症に特徴的な灰褐色の皮疹の拡大とともに,血清CRP上昇や高IgG血症,IL-6高値,貧血や低アルブミン血症などの全身症状が出現し,多中心性Castleman病(multicentric Castleman’sdisease,以下,MCD)と診断した.・ MCDにおいては近年トシリズマブ投与が治療の選択肢の1つであるが,皮膚科領域での皮疹を伴う症例の報告はまだ少ない.今回,トシリズマブによる約3年の治療経過を観察しえた症例を経験した.・ 治療に伴い徐々に皮疹の改善を認め,治療開始1年で皮疹がほぼ消失した部位を認めた一方で,1年以降は皮疹の明らかな改善を認めない部位も存在した.皮疹残存部位にはなおも真皮内に形質細胞増多症の所見を認めた.
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