Japanese
English
症例報告
肝細胞癌に先行して発症したSweet病の1例
A case of Sweet's disease preceding hepatocellular carcinoma
藤原 碧
1
,
安藤 純実
1
,
八幡 陽子
1
Midori FUJIWARA
1
,
Yoshimi ANDO
1
,
Yoko YAHATA
1
1大阪警察病院皮膚科
1Division of Dermatology, Osaka Police Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
Sweet病
,
内臓悪性腫瘍
,
肝細胞癌
Keyword:
Sweet病
,
内臓悪性腫瘍
,
肝細胞癌
pp.484-488
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205134
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要約 71歳,男性.5日前から左大腿外側に発赤が出現し,徐々に両下肢と右上肢にも多発してきたため,当科を受診した.既往歴にC型慢性肝炎があった.当科初診時,38℃以上の発熱と左下腿屈側・両大腿外側・右前腕屈側に3〜20cm大の硬結を伴う有痛性浮腫性紅斑を認めた.左大腿外側の浮腫性紅斑の病理組織像は,真皮浅層から深層,脂肪織にかけての好中球主体の炎症細胞浸潤で,組織培養は細菌・真菌・抗酸菌すべて陰性であった.血液検査所見では好中球優位の白血球増加,CRP陽性が認められ,Sweet病と診断した.ヨウ化カリウム内服を開始したが効果がなく,ステロイドの内服を開始したところ,速やかに紅斑は消退した.ほぼ同時期に画像検査で肝細胞癌が指摘された.Sweet病の15〜20%に悪性腫瘍が合併するが,その多くが血液疾患であり固形腫瘍は稀である.Sweet病診断時には,血液腫瘍のみでなく内臓悪性腫瘍合併の有無も検討する必要があると考えた.
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