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増刊号特集 最近のトピックス2017 Clinical Dermatology 2017
5.皮膚科医のための臨床トピックス
周術期大臀筋・臀部皮膚傷害の発症メカニズム
Proposal of mechanism underlying postoperative gluteal muscle and skin damage
服部 ゆかり
1
Yukari HATTORI
1
1滋賀県立成人病センター皮膚科
1Department of Dermatology, Shiga Medical Center for Adults, Moriyama, Japan
キーワード:
周術期皮膚合併症
,
大臀筋傷害
,
術後臀部皮膚障害
,
電気メス
Keyword:
周術期皮膚合併症
,
大臀筋傷害
,
術後臀部皮膚障害
,
電気メス
pp.150-152
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205094
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summary
われわれは腹部手術症例で潜在的な大臀筋の炎症がみられ,炎症が高度である場合に臀部の皮膚傷害を伴うことを見出した.このときみられる皮膚所見は1998年に林らにより提唱された術後臀部皮膚障害に一致する.さらにこの大臀筋の炎症が褥瘡におけるいわゆるdeep tissue injury(DTI)とは明らかに異なることを確認した.これらの知見をもとに術後臀部皮膚障害を再考し,周術期大臀筋・臀部皮膚傷害として提唱した.傷害部位は大臀筋が骨盤底に隣接する部分であり,筋肉の電気抵抗が低いことから電気メス電流の関与が否定できないと考えた.発症メカニズムについて,骨盤部位の3次元モデルを作成し有限要素法にて解析を行った.電気メスを骨盤底に近い部位で使用した場合に,大臀筋の熱上昇が裏付けられ,潜在的な大臀筋傷害が前立腺や膀胱の手術で高率にみられた事実と一致した.
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