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増刊号特集 最近のトピックス2017 Clinical Dermatology 2017
2.皮膚疾患の病態
さまざまな皮膚疾患に寄与する皮膚レジデントメモリーT細胞の重要性
Skin-resident memory T cells:Contribution to the prevention and pathogenesis of various skin disorders
足立 剛也
1
Takeya ADACHI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
レジデントメモリーT細胞
,
皮膚T細胞リンパ腫
,
固定薬疹
,
ワクチン
,
毛囊
Keyword:
レジデントメモリーT細胞
,
皮膚T細胞リンパ腫
,
固定薬疹
,
ワクチン
,
毛囊
pp.37-41
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205060
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summary
皮膚,腸管,肺,生殖器などにおいて長期生存し,迅速かつ強力な免疫防御を担う「レジデントメモリーT細胞(resident memory T cells:TRM)」に関する一連の報告は,バリア臓器における基本的な免疫メカニズムの解明とさまざまな疾患病態の理解に重要な知見を与えている.皮膚では,固定薬疹,ウイルス感染,アレルギー性接触皮膚炎などにおいてCD8+TRM,CD4+TRMの重要性が示唆されており,特に,皮膚T細胞リンパ腫(cutaneous T cell lymphoma:CTCL)においては局所のリンパ腫細胞などを標的とした治療開発が進められている.近年,毛囊がさまざまな白血球に対して能動的な免疫学的機能を有することが明らかとなっており,毛囊由来のサイトカインが皮膚TRMの恒常性維持およびCTCLにおけるリンパ腫細胞の表皮局在に重要な役割を担うことが示唆された.今後,複雑に絡み合った免疫システムの全体像の把握や,T細胞性の皮膚疾患に対する革新的治療の開発戦略等に寄与することが期待される.
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