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増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024
2.皮膚疾患の病態
固定薬疹と細胞傷害性resident memory T細胞
Fixed drug eruption and cytotoxic resident memory T cells
渡辺 玲
1
Rei WATANABE
1
1順天堂大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Juntendo University, Tokyo, Japan
キーワード:
固定薬疹
,
resident memory T細胞の常駐性
,
resident memory T細胞の再分化
Keyword:
固定薬疹
,
resident memory T細胞の常駐性
,
resident memory T細胞の再分化
pp.47-50
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207265
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summary
固定薬疹では,病変治癒部に薬剤応答性memory CD8 T細胞が長期間残存し,薬剤再曝露により迅速にサイトカイン,細胞傷害性分子を産生する.このmemory CD8 T細胞は,皮膚に常駐するresident memory T細胞(TRM)の特徴を有しており,病因性T細胞の常駐性が,同一部位に疾患発現を繰り返す臨床像につながると考えられる.近年,定常状態では再循環しないTRMが刺激に応じて増殖し,その一部が循環分画に再分化することが報告された.固定薬疹再燃部でも循環memory T細胞が増数し,この循環memory T細胞が治癒部に残存していたTRM由来と判明した.固定薬疹では,原因薬剤摂取を繰り返す過程で皮疹の増数を見ることがある.このような臨床像の経時的変化もTRMの動態から説明可能であり,今後のTRMの動態機能の解明から固定薬疹の病態がさらに詳細に明らかになることが期待される.
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