Japanese
English
増刊号特集 最近のトピックス2017 Clinical Dermatology 2017
2.皮膚疾患の病態
皮膚常在細菌叢が皮膚免疫に及ぼす影響
The influence of skin microbiota on skin immunity
小熊 玲奈
1
,
松岡 悠美
1
Rena OGUMA
1
,
Yuumi MATSUOKA
1
1千葉大学大学院医学研究院皮膚科学
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Chiba University, Chiba, Japan
キーワード:
皮膚常在細菌叢
,
dysbiosis
,
pathobiont
,
アトピー性皮膚炎
,
Staphylococcus aureus
Keyword:
皮膚常在細菌叢
,
dysbiosis
,
pathobiont
,
アトピー性皮膚炎
,
Staphylococcus aureus
pp.33-35
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205058
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
summary
皮膚は,表皮細胞,真皮内の免疫細胞と皮膚常在微生物の相互作用により,物理的・免疫学的に宿主を感染から防御する.両者のバランスが崩れると常在微生物の組成が変わるdysbiosisが起こり,皮膚感染症やアトピー性皮膚炎などの湿疹性病変が出現・増悪する.また,特定の条件下で増殖し病原性を発揮する“pathobiont(病原性偏利共生菌)”と称されるヒトの常在微生物の中でも,Staphylococcus aureusはクオラムセンシングという同種の生息密度を感知し栄養要求性を充足する機構を用い,病原物質を放出,皮膚炎を惹起することが解明され,アトピー性皮膚炎の病態への関与が明らかになりつつある.本項ではこのような最近の研究成果をまとめ,スキンケアを考える上で細菌叢が注目される根拠について概説する.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.