Japanese
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症例報告
大型先天性多発性色素性母斑上に生じた悪性黒色腫の1例
A case of malignant melanoma arising from multiple giant congenital melanocytic nevus
森 志朋
1
,
高橋 和宏
1
,
赤坂 俊英
2
Shiho MORI
1
,
Kazuhiro TAKAHASHI
1
,
Toshihide AKASAKA
2
1岩手医科大学皮膚科学講座
2北上済生会病院皮膚科
1Department of Dermatology, Iwate Medical University, Morioka, Japan
2Division of Dermatology, Kitakami Saiseikai Hospital, Kitakami, Japan
キーワード:
大型色素性母斑
,
悪性黒色腫
Keyword:
大型色素性母斑
,
悪性黒色腫
pp.361-366
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205045
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要約 75歳,女性.生下時より身体各所に色素斑があり2013年10月に左手関節部に腫瘤が出現した.2014年3月より腫瘤部から出血が続くため前医を受診し腫瘤を切除した.病理組織像より悪性黒色腫が疑われ当科を紹介され受診した.5月に手術瘢痕より中枢側2cm,末梢側1.5cmで切除し分層植皮術と腋窩センチネルリンパ節生検を施行した.病理検査や画像検査で転移を疑う所見はなく悪性黒色腫(Stage Ⅱb)と診断した.患者が一切の後療法を拒否したため定期通院による経過観察のみ行っていたが10月に小脳出血を発症し永眠した.出血巣や頭蓋内に転移所見はなかった.先天性色素性母斑のうち大型の先天性色素性母斑では,その多くが幼少時に悪性黒色腫を発生することが知られているが,自験例では74歳時発症と調べえた限り本邦最高齢であった.
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