Japanese
English
症例報告
たこつぼ型心筋症を発症した高齢者熱傷の2例
Two cases of burn in elderly patients who developed takotsubo cardiomyopathy
森田 知世
1
,
稲束 有希子
1
,
菅 崇暢
1
,
栁瀬 哲至
1
,
河合 幹雄
1
,
秀 道広
1
,
岩崎 泰昌
2
Chiyo MORITA
1
,
Yukiko INAZUKA
1
,
Takanobu KAN
1
,
Tetsuji YANASE
1
,
Mikio KAWAI
1
,
Michihiro HIDE
1
,
Yasumasa IWASAKI
2
1広島大学病院皮膚科
2広島大学病院救命救急センター
1Department of Dermatology, Hiroshima University, Hiroshima, Japan
2Advanced Emergency and Critical Care Center, Hiroshima University, Hiroshima, Japan
キーワード:
熱傷
,
たこつぼ型心筋症
,
脳梗塞
Keyword:
熱傷
,
たこつぼ型心筋症
,
脳梗塞
pp.367-371
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205046
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要約 症例1:82歳,女性.熱湯の入った浴槽内に転落し熱傷を受傷.受傷5日目に転院し,同日たこつぼ型心筋症を発症.症例2:82歳,男性.野焼き中に熱傷を受傷.受傷から1.5時間後にドクターヘリで搬送,入院時の心エコーでたこつぼ型心筋症と診断.経過中にたこつぼ型心筋症を契機とする心源性と考えられる出血性脳梗塞を発症した.本症の診断には冠動脈造影が推奨されているが,自験例では侵襲性の低い心エコーを行い診断に有用であった.治療は輸液の調整と人工呼吸器による呼吸管理を行った.出血性脳梗塞を合併した症例はヘパリンカルシウムで加療した.誘因として入院による環境の変化のほか,熱傷や,疼痛を伴う治療処置などの侵襲ストレスの関与が疑われた.急性期には致死的な合併症の報告もあり,広範囲熱傷患者では本症を念頭に置く必要があると考えた.
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