Japanese
English
症例報告
先天性色素性母斑に発生した悪性黒色腫の1例
A case of malignant melanoma arising in a congenital melanocytic nevus
坂井 博之
1
,
川岸 尚子
1
,
広川 政己
1
,
松尾 忍
1
,
飯塚 一
1
Hiroyuki SAKAI
1
,
Naoko KAWAGISHI
1
,
Masaki HIROKAWA
1
,
Shinobu MATSUO
1
,
Hajime IIZUKA
1
1旭川医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Asahikawa Medical College
キーワード:
先天性色素性母斑
,
悪性黒色腫
,
HMB45
Keyword:
先天性色素性母斑
,
悪性黒色腫
,
HMB45
pp.721-724
発行日 1994年7月1日
Published Date 1994/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901283
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55歳,女性.出生時から右大腿に黒褐色色素斑を認める.初診の約1年前から大きさ43×25mmの色素斑上に直径約8mmの半球状に隆起した腫瘤が出現してきた.病理組織学的には,表皮真皮接合部および真皮全層にかけて瀰漫性に母斑細胞の浸潤を認め,その中に大型で異型性に富む核を有し,周囲の母斑細胞とは明瞭な境界を有する腫瘍塊を認める.免疫組織化学的には,異型細胞よりなる部分はHMB45に陽性を示し,周囲の母斑細胞は陰性であった.またS−100蛋白は両者ともに陽性を示した.所属リンパ節への転移は認められなかった.病理組織学的,免疫組織学的所見から先天性色素性母斑に発生した悪性黒色腫と診断した.
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