Japanese
English
症例報告
粘膜病変が著明であったオキサトミドによる固定薬疹の1例
A case of fixed drug eruption due to oxatomide with severe mucosal involvement
權守 隆
1
,
嶋岡 弥生
1
,
濱崎 洋一郎
1
,
籏持 淳
1
Takashi GOMMORI
1
,
Yayoi SHIMAOKA
1
,
Youichiro HAMASAKI
1
,
Atsushi HATAMOCHI
1
1獨協医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Dokkyo Medical University School of Medicine, Tochigi, Japan
キーワード:
固定薬疹
,
オキサトミド
,
抗ヒスタミン薬
,
粘膜病変
,
内服誘発試験
Keyword:
固定薬疹
,
オキサトミド
,
抗ヒスタミン薬
,
粘膜病変
,
内服誘発試験
pp.206-210
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205008
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要約 49歳,女性.花粉症に対して日頃からエバスチンを内服していたが,数年ぶりにオキサトミドを内服した.その約5時間後から,下口唇(白唇部含む),口腔内,外陰部に違和感を自覚した.翌日から同部位に有痛性の紅斑,びらんが出現し,徐々に増悪した.発熱はなかったが,粘膜病変が著しかったので,入院のうえプレドニゾロン40mg(0.6mg/kg)を全身投与した.薬剤リンパ球刺激試験は陰性.パッチテストは皮疹部(下白唇部)で陽性,無疹部(上腕内側)で陰性であった.内服誘発試験も陽性となり,オキサトミドによる固定薬疹と診断した.抗ヒスタミン薬による粘膜病変が著明であった固定薬疹の報告は,われわれが調べえた限りでは皆無であった.また,自験例の経験を通じて,抗ヒスタミン薬も薬疹の被疑薬となりうることを再確認させられた.
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