Japanese
English
症例報告
Fusarium solaniによる皮下膿瘍の1例
A case of localized subcutaneous abscess caused by Fusarium solani
小松 成綱
1
,
本間 大
1
,
高橋 一朗
2
,
山本 明美
1
Shigetsuna KOMATSU
1
,
Masaru HONMA
1
,
Ichiro TAKAHASHI
2
,
Akemi ISHIDA-YAMAMOTO
1
1旭川医科大学皮膚科学講座
2北見赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Asahikawa Medical University, Asahikawa, Japan
2Division of Dermatology, Japanese Red Cross Kitami Hospital, Kitami, Japan
キーワード:
Fusarium solani
,
膿瘍
,
深在性真菌症
,
テルビナフィン
Keyword:
Fusarium solani
,
膿瘍
,
深在性真菌症
,
テルビナフィン
pp.117-121
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204986
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要約 75歳,女性.Sjögren症候群と橋本病を合併していたが明らかな免疫機能低下はなかった.約1か月前から左踵部に発赤と腫脹が出現し,プレドニゾロン15mg/日の内服を1か月間行ったところ,局所に紅色小結節を形成した.切開にて排膿があり,培養でFusarium solaniが検出された.左踵部を中心に多房性の皮下膿瘍を形成していたが全身症状は伴わず,テルビナフィン塩酸塩125mg/日を10か月間内服し略治した.Fusarium属菌はヒトの生活環境中に存在し爪真菌症の原因となるほか,血液悪性腫瘍患者では致死性の播種性病変を引き起こすこともある.その臨床像は宿主側の細胞性免疫能に影響を受けており,自験例のように皮膚に限局して深在性病変を呈することは稀である.
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