Japanese
English
症例報告
緩徐な経過を示し保存的療法で軽快した薬剤性過敏症症候群の1例
A case of slowly progressive drug-induced hypersensitivity syndrome successfully treated by a supportive therapy
大井 裕美子
1
,
吉田 哲也
1
,
川北 梨乃
1
,
齊藤 優子
1
,
佐々木 優
1
,
福田 知雄
1
Yumiko OI
1
,
Tetsuya YOSHIDA
1
,
Rino KAWAKITA
1
,
Yuko SAITO
1
,
Yu SASAKI
1
,
Tomoo FUKUDA
1
1国立病院機構東京医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Tokyo Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
薬剤性過敏症症候群
,
保存的療法
,
関節リウマチ
,
カルバマゼピン
,
サラゾスルファピリジン
Keyword:
薬剤性過敏症症候群
,
保存的療法
,
関節リウマチ
,
カルバマゼピン
,
サラゾスルファピリジン
pp.111-116
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204985
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要約 80歳,女性.関節リウマチでサラゾスルファピリジン投与中,高齢発症てんかんのためカルバマゼピン内服が開始された.内服開始27日目より肝機能障害を認め,34日目に内服が中止され,その2日後より皮疹が出現した.初診時,全身に粟粒大までの紅斑と頸部リンパ節腫脹,血液検査で異型リンパ球と肝機能障害を認めた.経過より薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)を疑ったが,全身状態良好なため,保存的療法で経過をみた.皮疹出現6日目に下半身優位な紫斑を,8日目に39℃台の発熱を一過性に認めたが,その後は順調に自然軽快した.カルバマゼピンの薬剤リンパ球刺激試験が皮疹出現4日目と早期に陽性を示し,皮疹出現17日目にHHV-6の再活性化を確認しDIHSと確定診断した.検査データの推移より,DIHS発症時期は肝機能障害を生じた時期,もしくはその前と考えた.関節リウマチに対して投薬中のサラゾスルファピリジンが自験例ではDIHSの重症化を防いだ可能性があると考えた.
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