Japanese
English
症例報告
急性骨髄性白血病患者に生じた播種性Fusarium感染症の1例
A case of disseminated Fusarium infection accompanied by acute myeloid leukemia
清水 彩子
1
,
遠藤 秀治
1
,
横田 朗
2
,
窪澤 仁
3
Ayako SHIMIZU
1
,
Hideharu ENDO
1
,
Akira YOKOTA
2
,
Hitoshi KUBOSAWA
3
1千葉市立青葉病院皮膚科
2千葉市立青葉病院血液内科
3千葉市立青葉病院病理科
1Department of Dermatology,Chiba Aoba Municipal Hospital,Chiba,Japan
2Department of Hematology,Chiba Aoba Municipal Hospital,Chiba,Japan
3Department of Pathology,Chiba Aoba Municipal Hospital,Chiba,Japan
キーワード:
急性骨髄性白血病
,
深在性真菌症
,
日和見感染
,
Fusarium
Keyword:
急性骨髄性白血病
,
深在性真菌症
,
日和見感染
,
Fusarium
pp.79-83
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103156
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要約 45歳,女性.急性骨髄性白血病があり,非血縁者間臍帯血移植後,拒絶をきたし,再移植を目指し準備中であった.プレドニゾロンとシクロスポリンが投与されており,前処置のため著明な好中球減少があった.背部に有痛性の紅色結節が出現し,まもなく中心部は小水疱,さらに壊死になった.同様の皮疹が急速に全身に播種状に増加した.皮膚生検にて血管侵襲性を示す多数の菌糸が認められ,培養の結果Fusarium sp. と同定された.高熱を伴い,β-D-glucanも高値を示した.血液培養からもFusarium sp. が検出された.リポソーマルアムホテリシンBとボリコナゾールを用いて治療を行ったが,敗血症性ショックに陥り,皮疹出現から約3週間後に心筋梗塞を併発して死亡した.播種性Fusarium感染症は致死率が高く,近年増加傾向である.免疫抑制状態の患者に特徴的な皮疹を認めた場合は皮膚生検を積極的に行う必要がある.
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