Japanese
English
症例報告
抗ラミニンγ1抗体を含む種々の自己抗体が検出された自己免疫性表皮下水疱症の1例
A case of subepidermal blistering disease with various autoantibodies including anti-laminin gamma-1 autoantibody
中原 とも子
1
,
小川 尊資
1
,
平澤 祐輔
1
,
古賀 浩嗣
2
,
石井 文人
2
,
橋本 隆
3
,
池田 志斈
1
Tomoko NAKAHARA
1
,
Takasuke OGAWA
1
,
Yusuke HIRASAWA
1
,
Hiroshi KOGA
2
,
Norito ISHII
2
,
Takashi HASHIMOTO
3
,
Shigaku IKEDA
1
1順天堂大学大学院医学研究科皮膚科学・アレルギー学講座
2久留米大学医学部皮膚科学教室
3久留米大学皮膚細胞生物学研究所
1Department of Dermatology and Allergology, Juntendo University Graduate School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
3Kurume University Institute of Cutaneous Cell Biology, Kurume, Japan
キーワード:
抗ラミニンγ1抗体
,
自己免疫性表皮下水疱症
,
抗ラミニンγ1類天疱瘡
,
水疱性類天疱瘡
,
抗BP180抗体
Keyword:
抗ラミニンγ1抗体
,
自己免疫性表皮下水疱症
,
抗ラミニンγ1類天疱瘡
,
水疱性類天疱瘡
,
抗BP180抗体
pp.1039-1044
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204942
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要約 抗ラミニンγ1類天疱瘡は,IgG自己抗体が真皮由来の200kDa蛋白に反応を示す自己免疫性水疱症である.今回,われわれは,抗Dsg3抗体,抗Dsg1抗体価の軽度上昇に始まり,真皮由来200kDa抗原に反応し,経過中に抗BP180抗体が陽性となった自己免疫性表皮下水疱症の1例を経験した.自験例は,ステロイド治療に反応したが,表皮下水疱の出現を繰り返し,血清解析の結果,抗BP180抗体と抗ラミニンγ1自己抗体の併存が示唆された.自己免疫水疱症において複数の自己抗体が検出される明確な機序についてはいまだ不明な点が多いが,複数の疾患の合併と捉えるかどうかという点については臨床症状,病理学的所見および免疫学的所見を総合的に判断する必要がある.
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