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特集 最近のトピックス2011 Clinical Dermatology 2011
3.新しい検査法と診断法
自己免疫性水疱症の自己抗体検査の読み方
Diagnostic approach to autoimmune blistering diseases using immunofluorescence,immunoblotting,and ELISA
濱田 尚宏
1
,
石井 文人
1
,
橋本 隆
1
Takahiro HAMADA
1
,
Norito ISHII
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
1久留米大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kurume University School of Medicine,Kurume,Japan
キーワード:
組換え蛋白質
,
血清学的診断
,
抗表皮細胞膜抗体
,
抗表皮基底膜部抗体
Keyword:
組換え蛋白質
,
血清学的診断
,
抗表皮細胞膜抗体
,
抗表皮基底膜部抗体
pp.75-79
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102897
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要約 自己免疫性水疱症の病因は表皮の標的抗原に対する自己抗体であり,その障害部位により多彩な症状を呈する.自己抗体検査には,患者皮膚を検体とする蛍光抗体直接法と患者血清を検体とする蛍光抗体間接法,免疫ブロット法,ELISA法などが挙げられる.天疱瘡の抗原であるデスモグレインや水疱性類天疱瘡の抗原の1つであるBP180に対するELISA法の保険収載は一般医院,診療所などでも自己抗体検査を可能にし,簡便に病勢がモニタリングできるという点でも意義深い.腫瘍随伴性天疱瘡や後天性表皮水疱症,抗ラミニンγ1類天疱瘡などにおいてもELISA法が最近開発された.一方,複雑な病態や症状を示す自己免疫性水疱症において,従来から行われている蛍光抗体法や免疫ブロット法などを組み合わせて自己抗体を検出し,病型診断に至ることは,個々の症例の治療方針や予後を考慮するうえでも依然として重要であることを認識する必要がある.
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