Japanese
English
症例報告
カルボシステイン(ムコダイン®)の貼布試験が陽性であった固定薬疹の1例
A case of fixed drug eruption due to carbocysteine(mucodine®)with positive patch test
関向 亜紀子
1
,
正木 太朗
1
,
錦織 千佳子
1
Akiko SEKIMUKAI
1
,
Taro MASAKI
1
,
Chikako NISHIGORI
1
1神戸大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kobe University School of Medicine, Kobe, Japan
キーワード:
固定薬疹
,
カルボシステイン
,
ムコダイン®
,
貼布試験
,
チオジグリコール酸
Keyword:
固定薬疹
,
カルボシステイン
,
ムコダイン®
,
貼布試験
,
チオジグリコール酸
pp.1027-1030
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204939
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要約 8歳,男児.3歳の夏頃に胸部正中に紅色の皮疹が出現した.虫刺による掻き傷と考え経過をみていたが,成長とともに遠心状に拡大し,手掌大の紫褐色斑になったため,当科を受診した.初診時,胸部正中に比較的境界明瞭な紫褐色斑を認め,同部に多数の脱色素斑を混じていた.固定薬疹を疑い,薬剤歴を聴取したところ,ツロブテロールもしくはカルボシステインが原因薬として疑われたため,貼布試験を施行した.貼布試験にてカルボシステインとその代謝産物であるチオジグリコール酸が皮疹部と無疹部で陽性であり,カルボシステインによる固定薬疹と診断した.カルボシステインによる固定薬疹では,カルボシステイン自体は貼布試験で陽性となりにくいとされてきたが,カルボシステイン自体でも感作が成立することがあると推測した.
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