Japanese
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症例報告
過酸化ベンゾイルゲルによるアレルギー性接触皮膚炎が疑われた2例
Two suspected cases of allergic contact dermatitis due to benzoyl peroxide gel
小松 俊郎
1
Toshiro KOMATSU
1
1こまつ皮膚科クリニック北仙台
1Komatsu Dermatology Clinic Kitasendai, Sendai, Japan
キーワード:
過酸化ベンゾイル
,
尋常性痤瘡
,
アレルギー性接触皮膚炎
Keyword:
過酸化ベンゾイル
,
尋常性痤瘡
,
アレルギー性接触皮膚炎
pp.1031-1034
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204940
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要約 症例1:28歳,女性.尋常性痤瘡に対して2.5%過酸化ベンゾイルゲルを開始し,当初は問題なく使用できていたものの11週で軽い刺激症状が出現したため自己中断していた.2週間後に再開したところ翌朝に顔面全体に滲出液を伴う強い紅斑が出現した.症例2:22歳,女性.尋常性痤瘡に対して2.5%過酸化ベンゾイルゲルを開始したところ数日後より顔面全体に滲出液を伴う紅斑が出現した.過去にプロアクティブ®の使用歴があった.尋常性痤瘡に対する2.5%過酸化ベンゾイルゲルの国内第III相臨床試験において接触皮膚炎の報告は5.6%であったが,当院の2.5%過酸化ベンゾイルゲル使用患者99例では軽度の一次刺激皮膚炎が36例(36.3%),中等度の一次刺激皮膚炎が15例(15.1%),アレルギー性接触皮膚炎の疑いが9例(9.1%)に認められた.また,海外の貼布試験では29,758例中2,316例(7.8%)が1%過酸化ベンゾイルに対して陽性であったとの報告もあり,やや高感作性の薬剤である可能性が示唆された.
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