Japanese
English
症例報告
カルボシステイン(ムコダイン®)による多発性固定薬疹の小児例
An infantile case of multiple fixed drug eruption due to carbocistein(Mucodyne®)
福田 英嗣
1
,
宇佐美 奈央
1
,
佐藤 八千代
1
,
向井 秀樹
1
Hidetsugu FUKUDA
1
,
Nao USAMI
1
,
Yachiyo SATO
1
,
Hideki MUKAI
1
1東邦大学医療センター大橋病院皮膚科
1Department of Dermatology,Toho University Ohashi Medical Center,Tokyo,Japan
キーワード:
固定薬疹
,
カルボシステイン
,
内服誘発テスト
,
時間薬理学
,
チオジグリコール酸
Keyword:
固定薬疹
,
カルボシステイン
,
内服誘発テスト
,
時間薬理学
,
チオジグリコール酸
pp.585-588
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102995
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要約 6歳,男児.4か月程前より右側腹部と右腰部に褐色斑が出現した.褐色斑は徐々に消退傾向を示すが,時々同部位に赤みを伴うことがあるため当科を受診した.初診時,右側腹部と右腰部に比較的境界明瞭な褐色斑があり,かゆみを軽度認めた.固定薬疹を疑い薬剤内服歴を詳細に問診したところ,感冒症状時に内服していたカルボシステイン(ムコダイン®)が原因薬として疑われたため,内服誘発テストを施行した.カルボシステイン常用量を朝夕2日間内服したところ,褐色斑上に紅斑が出現した.以上より,カルボシステインによる多発性固定薬疹と診断した.カルボシステインによる固定薬疹の場合,内服誘発テストにて皮疹が誘発される期間は,通常の固定薬疹と異なり2,3日間であることが多い.このメカニズムとして時間薬理学的機序が関与し,発症にはある一定の量が必要であることが推測された.
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