Japanese
English
今月の症例
カルボシステイン(ムコダイン®)による多発性固定薬疹の1例
A case of multiple fixed drug eruption due to carbocisteine (Mucodyne®)
森本 亜里
1
,
大内 健嗣
1
,
安田 文世
1
,
定平 知江子
1
,
海老原 全
1
,
谷川 瑛子
1
,
高江 雄二郎
1
Ari MORIMOTO
1
,
Takeshi OUCHI
1
,
Fumiyo YASUDA
1
,
Chieko SADAHIRA
1
,
Tamotsu EBIHARA
1
,
Akiko TANIKAWA
1
,
Yujiro TAKAE
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
カルボシステイン(ムコダイン®)
,
固定薬疹
,
内服試験
,
貼布試験
,
夜間代謝産物
,
チオジグリコール酸
Keyword:
カルボシステイン(ムコダイン®)
,
固定薬疹
,
内服試験
,
貼布試験
,
夜間代謝産物
,
チオジグリコール酸
pp.550-553
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102659
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要約 35歳,女性.数年前より感冒罹患時に複数の薬剤を内服すると掻痒を伴う紅斑が指間・大腿・足背に多発し,内服中止にて色素斑を残し,軽快していた.内服歴のある全薬剤の無疹部・皮疹部の貼布試験は陰性であったが,内服歴よりカルボシステインを疑い,内服試験を行ったところ,紅斑が再現した.一般的に固定薬疹における皮疹部での貼布試験の陽性率は50~100%と報告されている.本邦でのカルボシステインによる固定薬疹の報告では,16例中15例が内服試験で確定診断され,貼布試験を行った症例では全例陰性だった.既報告よりカルボシステインは通常の貼布試験では陽性率が低く,その原因として固定薬疹がカルボシステインの代謝産物により生じていることが考えられる.
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