Japanese
English
症例報告
初診時落葉状天疱瘡を考えた尋常性天疱瘡の1例
A case of pemphigus vulgaris initially mimicking pemphigus foliaceus
小林 英資
1
,
下田 由莉江
1
,
佐藤 洋平
1
,
早川 順
1
,
廣瀬 美希
2
,
大山 学
1
Eisuke KOBAYASHI
1
,
Yurie SHIMODA
1
,
Youhei SATO
1
,
Jun HAYAKAWA
1
,
Miki HIROSE
2
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2防衛医科大学校皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
2Department of Dermatology, National Defense Medical College, Tokorozawa, Japan
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
落葉状天疱瘡
,
治療抵抗性
,
血漿交換
,
大量γグロブリン療法
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
落葉状天疱瘡
,
治療抵抗性
,
血漿交換
,
大量γグロブリン療法
pp.19-24
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206555
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要約 53歳,女性.2か月前から続く軀幹の皮疹を主訴に当科を紹介受診した.初診時,軀幹に約2cm大までの痂皮を付すびらん・紅斑が散在し臨床的には軽症の落葉状天疱瘡を考えたが,検査所見は尋常性天疱瘡(pemphigus vulgaris:PV)を示唆した.入院加療を勧めたが拒否され,通院が途絶えた.初診3年後,粘膜疹と全身のびらんが増悪し,他院を受診.ステロイド導入後も改善なく,当院へ転院.抗デスモグレイン(Dsg)1抗体優位の抗Dsg1,Dsg3抗体の上昇,病理組織学的および蛍光抗体直接法の所見から改めてPVと診断した.ステロイド,アザチオプリン治療開始するも,症状が遷延し,血漿交換と大量γグロブリン療法の追加にて,症状の改善が得られた.抗体プロファイルから病状の進行を予測し早期より積極的加療を勧めるべきであった.自験例は皮膚型PVから粘膜皮膚型PVへ移行し,治療介入が遅れたことにより難治となった可能性がある.
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