Japanese
English
症例報告
乳癌再発発見の契機になった抗TIF-1γ抗体陽性皮膚筋炎の1例
A case of anti-TIF-1γ-positive dermatomyositis leading to the detection of the recurrence of breast cancer
村山 梓
1
,
簗場 広一
1
,
伊藤 宗成
1
,
谷戸 克己
1
,
中川 秀己
1
,
濱口 儒人
2
Azusa MURAYAMA
1
,
Koichi YANABA
1
,
Munenari ITO
1
,
Katsumi TANITO
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
,
Yasuhito HAMAGUCHI
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
2金沢大学医薬保健研究域医学系皮膚科学教室
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Institute of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Kanazawa University, Kanazawa, Japan
キーワード:
皮膚筋炎
,
乳癌
,
再発
,
転移
,
抗TIF-1γ抗体
Keyword:
皮膚筋炎
,
乳癌
,
再発
,
転移
,
抗TIF-1γ抗体
pp.301-305
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204706
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要約 82歳,女性.13年前に左乳癌を発症し,左乳房全摘術と左腋窩リンパ節郭清術を施行後,ホルモン療法を5年間施行した.6年前に再発したため,胸壁切除術と軟部組織切除術を施行後,ホルモン療法を5年間施行し,その後は寛解状態であった.2014年2月,顔面,背部,上肢に瘙痒を伴う紅斑が出現し,ステロイド外用を行ったが徐々に増悪した.同年8月にはGottron徴候,爪囲紅斑,爪上皮出血点が出現したため皮膚筋炎と診断した.全身検索にて乳癌の所属リンパ節転移が疑われ,針生検にて左乳癌の左鎖骨上窩リンパ節転移(T1N3M0,Stage ⅢC)と診断した.悪性腫瘍の既往がある患者が皮膚筋炎を発症した際には,悪性腫瘍の再発を念頭に置き,全身検索を行う必要がある.また,自己抗体の特定は診断および経過の予測,治療方針の決定に有用である.
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