特集 生物学的製剤・副作用
臨床例
尋常性乾癬のアダリムマブ投与中に生じた逆説的反応
成田 多恵
1
,
塚原 理恵子
,
出光 俊郎
1さいたま赤十字病院 皮膚科
キーワード:
乾癬
,
鑑別診断
,
苔癬型発疹
,
Adalimumab
,
Ustekinumab
Keyword:
Ustekinumab
,
Adalimumab
,
Diagnosis, Differential
,
Psoriasis
,
Lichenoid Eruptions
pp.413-416
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014240726
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<症例のポイント>TNF-α阻害薬投与中に乾癬様皮疹や掌蹠膿疱症を誘発することがあり、逆説的反応(paradoxical reaction)と呼ばれる。慢性関節リウマチでの報告がもっとも多く、乾癬患者に生じた例は本邦報告例では膿疱性病変が主体である。今回、尋常性乾癬のアダリムマブ投与中に生じた乾癬様皮疹の悪化(逆説的反応)を経験した。アダリムマブ投与継続にて自然に皮疹は軽快したが、病理組織学的に乾癬様病変と苔癬型反応病変が混在していた。自験例ではウステキヌマブに変更後もいったん皮疹が悪化した後、軽快している。逆説的反応の発現機序として、TNF-α阻害薬による皮膚局所のTNF-αとIFN-αのサイトカインバランスの不均衡説があげられているが、自験例も生物学的製剤投与によるサイトカインの変化が皮疹の悪化の一因になっていると思われる。
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