Japanese
English
症例報告
ブロメライン®軟膏により発熱を生じた仙骨部褥瘡の1例
Bromelain® ointment-induced pyrexia in a patient with decubitus
近藤 佐知子
1
,
小川 智広
1
,
鴇田 真海
1
,
本田 ひろみ
1
,
伊藤 宗成
1
,
谷戸 克己
1
,
中川 秀己
1
Sachiko KONDO
1
,
Tomohiro OGAWA
1
,
Mami TOKITA
1
,
Hiromi HONDA
1
,
Munenari ITO
1
,
Katsumi TANITO
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学病院皮膚科
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medecine, Tokyo, Japan
キーワード:
仙骨部褥瘡
,
ブロメライン®軟膏外用
,
発熱
Keyword:
仙骨部褥瘡
,
ブロメライン®軟膏外用
,
発熱
pp.185-188
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204676
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要約 79歳,男性.仙骨部褥瘡を近医で治療されていたが,改善を認めず当科を受診した.褥瘡は10×20cm大のポケット形成を伴っており,ポケット切開を行い,局所陰圧閉鎖療法(V.A.C.®療法)を開始した.その直後より仙尾骨骨髄炎によるスパイク状の発熱を認め,抗生剤投与を開始し,V.A.C.®療法は中止した.さらに,不良肉芽を除去するためにブロメライン®軟膏による外用療法を開始したところ,その翌日よりスパイク状の発熱が再び出現した.明らかな創部の感染徴候およびその他の感染源を認めなかったため,ブロメライン®軟膏による発熱を考え使用を中止したところ,速やかに解熱し,再使用により再び発熱をきたした.これらの経過よりブロメライン®軟膏により生じた発熱と考えた.現在までに同様の報告例はないが,ブロメライン®軟膏の使用量が多かったことが誘因の可能性と考えられた.
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