Japanese
English
症例報告
耳介に生じた血管平滑筋腫の1例
A case of angioleiomyoma of the auricle
鴇田 真海
1
,
川瀬 正昭
1
,
中川 秀己
1
,
林 淳也
2
Mami TOKITA
1
,
Masaaki KAWASE
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
,
Junya HAYASHI
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
2東京慈恵会医科大学形成外科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Plastic Surgery, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
血管平滑筋腫
,
静脈型
,
耳介
,
疼痛
Keyword:
血管平滑筋腫
,
静脈型
,
耳介
,
疼痛
pp.1045-1048
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200055
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要約 33歳,男性.初診の5年前より,左耳介前面に自覚症状のない紅色丘疹が出現した.その後,増大傾向を認めたため,当科を受診した.初診時,左耳介前面に12×15mm大,表面に血管拡張を伴う暗紅色の半球状に隆起する弾性軟の腫瘤を認めた.自発痛,圧痛はなく,下床の軟骨との可動性は不良であった.病理組織像では真皮内に被膜に覆われた結節を認めた.一部には裂隙状の血管の増生と,間質に紡錐形核を有する腫瘍細胞が増生していた.これら細胞はMasson染色で赤染し,免疫染色でデスミン,α-SMAが陽性であった.組織型は森本らの分類による静脈型の血管平滑筋腫と考えた.耳介部は結合織が疎であり,直下に軟骨があるという特徴から,赤色から紫色を呈し,外方向に突出する臨床をとることが多い.また,組織型では静脈型の頻度が高く,疼痛を伴わない傾向がみられる.耳介部にこのような特徴を有する腫瘤を認める場合,血管平滑筋腫を疑う必要がある.
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