Mohs' chemosurgeryによりQOLを改善しえた転移性皮膚胸腺癌の1例

Mohs' chemosurgery improved the impaired quality of life in a patient with cutaneous metastasis of thymic carcinoma

　68歳，男性．呼吸器内科にて胸腺癌の診断を受け，放射線療法や各種化学療法を施行するも効果なく，腫瘍が体表から大きく突出してきたため，液体窒素による凍結療法を試みた．腫瘍は若干縮小したものの，逆に壊死が拡大し滲出液が増量，感染により悪臭を伴った．そこでMohs' chemosurgeryを施行したところ，腫瘍は壊死部位も含めて固定され，十分な腫瘍縮小効果に加え，滲出液の漏出・悪臭も抑制することができ，患者存命中のQOLの改善に大きく寄与することができた．