Japanese
English
症例報告
動的外力を軽減して改善した坐骨部褥瘡の2例
Two cases of pressure ulcers on the ischial region improved abatement of external forces
吉賀 哲郎
1
,
平島 昌生
1
,
平田 雄三
2
Tetsuro YOSHIGA
1
,
Masao HIRASHIMA
1
,
Yuzo HIRATA
2
1独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院皮膚科
2独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院外科
1Division of Dermatology, Japan Labour Health and Welfare Organization Chugoku Rosai Hospital, Kure, Japan
2Division of Surgery, Japan Labour Health and Welfare Organization Chugoku Rosai Hospital, Kure, Japan
キーワード:
褥瘡
,
体位変換
,
坐骨部
,
動的外力
,
自動体位変換マットレス
Keyword:
褥瘡
,
体位変換
,
坐骨部
,
動的外力
,
自動体位変換マットレス
pp.189-194
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204677
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要約 症例1:74歳,男性.腰髄L1以下の脊髄損傷の既往がある.2012年4月より左坐骨部に褥瘡を認め,保存的に加療をされるが難治で,骨髄炎を併発し,当院に入院した.症例2:39歳,女性.胸髄Th10以下の脊髄損傷の既往がある.2012年6月より右坐骨部に褥瘡を認め,同部位の感染を繰り返していた.保存的に加療を継続したが難治であり,手術加療を目的に入院した.2症例とも治療に難渋したが,潰瘍を評価し,その性状から動的外力が増悪因子となっていると判断した.座位の動作や身体移動によって生じる動的外力を可能な限り除去することで著明な改善がみられた.褥瘡発生の第一の要因は過大な外力であるが,その外力は必ずしも重力による圧力だけでなく,動的外力も治癒を遷延させる原因として大切である.個々の症例で潰瘍の性状を評価し,動的外力の軽減を検討する必要がある.
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