Japanese
English
症例報告
皮膚に多発する神経鞘腫から神経線維腫症2型と診断された小児例
A child case of neurofibromatosis type 2 with multiple cutaneous schwannomas as initial diagnostic sign
龍神 操
1
,
伊東 可寛
1
,
五味 博子
1
,
山﨑 一人
2
,
石田 康生
2
,
早川 和人
1
Misao RYUJIN
1
,
Yoshihiro ITO
1
,
Hiroko GOMI
1
,
Kazuto YAMAZAKI
2
,
Yasuo ISHIDA
2
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
1帝京大学ちば総合医療センター皮膚科
2帝京大学ちば総合医療センター病理部
1Department of Dermatology, Teikyo Chiba Medical Center, Ichihara, Japan
2Department of Pathology, Teikyo Chiba Medical Center, Ichihara, Japan
キーワード:
神経線維腫症2型
,
皮膚神経鞘腫
,
蔓状神経鞘腫
,
神経鞘腫症
Keyword:
神経線維腫症2型
,
皮膚神経鞘腫
,
蔓状神経鞘腫
,
神経鞘腫症
pp.1066-1070
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205270
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要約 7歳,男児.生来健康.幼児期より体幹に数か所,淡褐色の結節性病変を認めていた.自覚症状を伴わず自宅で経過観察していたが,初診約1週間前から圧痛が出現したため当科を受診した.初診時,軀幹を中心として全身に境界明瞭で弾性硬の結節が散在していた.結節表面は淡褐色であり,いくつかは有毛性だった.組織学的所見では,真皮内に紡錘形細胞により構成され,verocay bodyが多く存在するAntoni A型の神経鞘腫であった.脳・脊髄造影MRI所見で両側聴神経および脳神経系と脊髄に多発する腫瘍を認め,神経線維腫症2型(neurofibromatosis type 2:NF2)と診断した.NF2においては皮膚腫瘍を有する例が多いものの,皮膚症状を契機として診断に至る例は稀である.多発する神経鞘腫など,NF2に特徴的な皮膚症状の際にはMRI検査などにより神経系腫瘍の有無を精査し,NF2の早期診断に寄与できると考えた.
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