Japanese
English
症例報告
高齢者の前腕に出現したグロムス腫瘍の1例
A case of glomus tumor on the forearm of an elderly woman
泉 映里
1
,
石橋 正史
1
Eri IZUMI
1
,
Masafumi ISHIBASHI
1
1日本鋼管病院皮膚科
1Division of Dermatology, Nippon Kokan Hospital, Kawasaki, Japan
キーワード:
グロムス腫瘍
,
後期高齢者
,
前腕
Keyword:
グロムス腫瘍
,
後期高齢者
,
前腕
pp.1053-1056
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204621
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要約 87歳,女性.5年前より右前腕に腫瘍が出現し,徐々に増大した.初診時,12×10×5mmのドーム状に隆起する紫色調の結節を認め,圧痛を伴った.局所麻酔下に摘出した腫瘍の病理組織学像では,腫瘍は拡張した血管と円形の均一な核を有す腫瘍細胞で構築されており,免疫染色にてα-平滑筋アクチン,ビメンチン陽性,デスミン陰性であった.以上の臨床像と病理組織像からグロムス腫瘍と診断した.単発性のグロムス腫瘍は一般的には若い成人の爪下部に好発するとされており,自験例は発症年齢と部位とも比較的稀な症例と思われた.また,過去の75歳以上の後期高齢者における本邦報告14例について検討したところ,爪甲発症は1例のみで,その他は爪甲外発症であった.高齢者では若年者と異なり,爪甲外に発症しやすい傾向があることが示唆された.
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