Japanese
English
症例報告
同種骨髄移植を施行したSézary症候群の1例
A case of Sézary syndrome treated with allogeneic hematopoietic stem cell transplantation
南 志乃
1
,
高橋 聡文
1
,
白井 昌江
1
,
加藤 威
1
,
藤本 徳毅
1
,
中西 健史
1
,
南口 仁志
2
,
田中 俊宏
1
Shino MINAMI
1
,
Toshifumi TAKAHASHI
1
,
Masae SHIRAI
1
,
Takeshi KATO
1
,
Noriki FUJIMOTO
1
,
Takeshi NAKANISHI
1
,
Hitoshi MINAMIGUCHI
2
,
Toshihiro TANAKA
1
1滋賀医科大学皮膚科学教室
2滋賀医科大学血液内科学教室
1Department of Dermatology, Shiga University of Medical Science, Otsu, Japan
2Department of Hematology, Shiga University of Medical Science, Otsu, Japan
キーワード:
Sézary症候群
,
造血幹細胞移植
,
全身電子線照射
Keyword:
Sézary症候群
,
造血幹細胞移植
,
全身電子線照射
pp.853-858
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204570
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要約 60歳台,男性.湿疹として加療を受けていたが改善を認めず,紅皮症となったため当院を紹介されて受診した.初診時の皮膚生検の病理組織検査では異型性は乏しかったが,末梢血のフローサイトメトリーを施行したところCD4陽性CD7陰性細胞の増加を認めたことから,異常なT細胞の増殖を疑った.末梢血と皮膚組織のサザンブロット法による遺伝子再構成検査を施行したところ,TCRCβ領域とJγ領域の再構成バンドを認めたため,Sézary症候群と診断した.局所療法と化学療法を含めた複数の治療に抵抗性で,本人の希望もあったことから,同種骨髄移植を施行した.しかし,経過中に肺炎を発症して敗血症から多臓器不全に至り,移植24日目に死亡した.移植を行う場合,効果の高い前処置の選択や移植前の治療反応性から適応を判断することが重要であると考えるが,Sézary症候群の移植症例は少なく,今後の症例集積が待たれる.
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