Japanese
English
症例報告
背部に生じたらせん腺癌の1例
A case of spiradenocarcinoma on the back
本田 真一朗
1
,
藤井 紀和
1
,
高橋 聡文
1
,
加藤 威
1
,
藤本 徳毅
1
,
田中 俊宏
1
,
河野 晶子
2
Shinichiro HONDA
1
,
Norikazu FUJII
1
,
Toshifumi TAKAHASHI
1
,
Takeshi KATO
1
,
Noriki FUJIMOTO
1
,
Toshihiro TANAKA
1
,
Akiko KAWANO
2
1滋賀医科大学皮膚科学教室
2湖東記念病院皮膚科
1Department of Dermatology, Shiga University of Medical Science, Otsu, Japan
2Division of Dermatology, Koto Memorial Hospital, Higashiomi, Japan
キーワード:
らせん腺腫
,
らせん腺癌
,
p53
,
Ki-67
Keyword:
らせん腺腫
,
らせん腺癌
,
p53
,
Ki-67
pp.894-898
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200013
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要約 63歳,女性.5年前より右背部に5cm大の皮下腫瘤を自覚し,徐々に増大したため近医を受診し切除術を受けた.病理組織検査で悪性腫瘍を疑われ当科を受診した.病理組織像は核異型の強い領域と核異型のみられない領域がみられた.後者の領域では2種類の腫瘍細胞が索状または管腔状に増生し好塩基性の小型細胞が外側に好酸性の細胞が中心にみられ,らせん腺腫に相当すると考えた.前者の領域では好塩基性の異型細胞が密に増生し,p53のびまん性の染色とKi-67の標識率の上昇がみられた.以上から,らせん腺腫より生じたらせん腺癌と診断し追加切除した.自験例ではらせん腺癌の部分にp53の過剰発現がみられ,らせん腺腫の悪性化において必須のステップである可能性が考えられた.
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