Japanese
English
症例報告
骨髄抑制,敗血症後に寛解した重症水疱性類天疱瘡の1例
Remission of a severe case of bullous pemphigoid after myelosuppression and sepsis
宮田 奈穂
1
,
永尾 圭介
1
,
谷川 瑛子
1
,
天谷 雅行
1
,
田中 勝
1
Naho MIYATA
1
,
Keisuke NAGAO
1
,
Akiko TANIKAWA
1
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Masaru TANAKA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Keio University School of Medicine
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
骨髄抑制
,
重症感染症
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
骨髄抑制
,
重症感染症
pp.742-745
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100214
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要約
50歳,女性.初診より2週間ほどで水疱が全身に新生,拡大し,急激に病勢が悪化した.皮膚生検の結果,明らかな水疱を認めなかったが,真皮に軽度の浮腫と好酸球の浸潤を認めた.蛍光抗体直接法で基底層にIgG,C3の線状沈着を認め,蛍光抗体間接法でも部分的に10倍陽性,BP180抗体価(ELISA)も83.9indexと陽性であることから,水疱性類天疱瘡と診断した.ステロイドパルス療法,血漿交換,アザチオプリンの併用を行ったが,新生する水疱,紅斑の抑制は極めて困難であった.経過中,アザチオプリンによる骨髄抑制が起こり,MRSAによる敗血症を併発した.抗生剤およびガンマグロブリン大量療法を開始したところ解熱し,その後水疱の新生はまったく認められなくなった.本症例では骨髄抑制後の重症感染症が寛解の一因となったと推論した.
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